音響学校



アマチュアのための音響学校です。

バンドで活動している方が
バンドの練習スタジオにある ミキサーなど機材操作や 
自分たちで 簡単なPAを操作しながら ライブを行う 
など に必要な 技術を学びます。

バンドの練習スタジオ などにおける機材操作:

一般的に
機材の電源はスタジオ係員が管理を行いますので
電源は入れてあります。
ミキサー以外の機器(パワーアンプなど)の設定は
行われていますので ミキサーの操作だけで音が出ます。



タスカムのミキサー M208 を例に ミキサーの使い方説明をします。
まず
PGMマスターフェ―ダー 1,2と
ステレオ マスターフェ―ダーLR を
図のように規定値まで上げます

次に 使うマイクのch フェーダーを 
図のように規定値まで上げ 
マイクで喋りながら 
TRIM トリム(GAIN ゲイン)を 時計回りの方向へ
回して  ハウリングを起こす手前まで音量を上げてけば
基本設定は完了です。
後は 使うマイクのch フェーダーで微調節を行い 
複数マイクを使う場合 全体の音量を
ステレオ マスターフェ―ダーLR で調整します。

音量が大きすぎる場合などの時は
各フェーダーを規定値のまま ゲイン(トリム)を調整してから
微調整をフェーダーで行います。

VUメーター 1(PGMマスターフェ―ダー1
  のレベルが表示さます)

VUメーター 2

VUメーター 3

VUメーター 4



PGMマスターフェ―ダー 1(メインLへ)

PGMマスターフェ―ダー 2(メインRへ)

PGMマスターフェ―ダー 3

PGMマスターフェ―ダー 4

ステレオ マスターフェ―ダーLR

ボリュームつまみの位置(方向)を時計の短針に見立てて

   ← は9時、↑は12時、 → は3時 と言う。(8時で最小、4時で最大となる)

   (例:左図のボリュームつまみは、↑方向なので12時の位置となる)


PAD(パッド) 通常はOFF(出っ張った状態)で使用、
   DI など出力の大きい信号を入力する時ON(押しこんだ状態)にする。

←TRIM トリム(GAIN ゲイン) Vo,choマイクは11〜12時、楽器は9〜10時位
       (ゲインの設定値は、ミキサーやマイクの機種により若干異なる。)

TAPE  通常はOFF(出っ張った状態)で使用、ONはピン端子INになり音が出なくなる。

EQ(イコライザー)通常は↑(12時方向)がノーマルで 
  →(時計方向)でブースト(強調)され、←(反時計方向)でカット(弱く)されます。

←EQ 10kHz 高音  ±15dB  シェルビング・タイプ
  EQの設定が悪いと ハウリングが起こりやすくなったり
   スピーカーが飛びやすくなります。
    上手く調整すれば ハウリングをカットしたり 音質を改善できますが 
      良く分からない方は 左図のように ↑(12時方向)にして下さい。
←EQ 250Hz〜5kHz 中音  Hz可変式 ピーキングタイプ


←EQ 中音  ±15dB   




←EQ 100Hz 低音  ±15dB  シェルビング・タイプ  (EQを上げるとスピーカーへの負担が大きくなるので触れない事。)

←OL(オーバーロード) TRIM(GAIN)を上げすぎると点灯します
     (点灯したままだと 音が歪んでしまいます)

←FLB(ホールドバック)プリ・フェ―ダー信号(チャンネル・フェ―ダーに影響されない 
  AUXとも呼ばれる。

←TAPE 通常はOFF (ONはピン端子INになり音が出なくなる)


←EFF(エフェクト) ポストフェ―ダー信号(チャンネル・フェ―ダーに影響されるので
   リバーブ、エコー 等 エフェクター送りに使われる AUXとも呼ばれる。

アサイン・スイッチ1−2 ON(押しこんだ状態)でPGMマスターフェ―ダー1,2に出力

アサイン・スイッチ3−4 ON(押しこんだ状態)でPGMマスターフェ―ダー3、4に出力
このスイッチがOFFだとそのChの音はPGMマスターフェ―ダーに出力されない。

←PAN(パン) 定位  音の左右(ステレオ)の位置を設定する。


←PFL(プリ フェ―ダー リッスン) 押すとそのchをヘッドホーンで検聴できる。
   各出力(スピーカーから出る音)とは別なので演奏中でも使用可

 

 

←チャンネル・フェ―ダー 7〜8 基本位置

  (この位置が0で上下に123〜の目盛のミキサーは0が基本位置となる)

  

  チャンネル・フェ―ダーが(このミキサーは 0〜10 まで目盛がありますが)
  7〜8 あたりで調節でき 各PGMマスターフェ―ダーも目盛の7〜8あたりで
  各chのTRIM トリム(GAIN ゲイン)を調節してから
  各フェ―ダーで微調整するのが基本。

  
∴ゲインの調節は非常に大切である。

 パワーアンプの音量設定により VUメーター の振れ方は変わります 
適切にアンプを設定した場合 VUメーター は 0 (12:30 方向) 付近で振れます。







タスカムのミキサー M208 
PGMマスターフェ―ダー 1〜4 の合成音が自動的に ステレオ マスターフェ―ダーLRへ出力されます

このミキサーより上級種には 各chに 
ミュート・スイッチ(又はchのON、OFF スイッチ)や 
直接マスターフェ―ダーLRへ出力する アサイン・スイッチ などがあります。


スピーカにマイクを向けたり、近づけたり音量を上げすぎるとキーンとかん高い音(ハウリング)が出るので注意。
ミキサーのEQでハウリングをカットする事もできますが このEQは荒いので 
肝心な声の音質まで大きく変化してしまうので 余り勧められません。
ハウリングカットは 狭い帯域が可変できる 
31バンドのEQ(又はパラEQ)が一般的で 質の高い練習スタジオでは 
これらを使いSPチューニングが行われ いじられないように隠してあります。

ボーカルが聞こえにくい場合以下のように対処します。
@マイクに唇がつく位、口を近づける。(正しい角度と持ち方で)
Aコーラスマイクは位置、方向に注意してセットしておき、使用してないマイクの音量は下げる



注意事項
機材の上に座ったり、足をかけたり、 飲み物 等 絶対置かない事
機材を落としたり、濡らした場合、故障がなくても寿命を縮め将来故障の要因となります。

ギター・ベース アンプの近くに音量を上げたままギターを立てかけると少しづつハウリングを起こして
アンプが破損しますので、弾いていない時は必ず音量は最小にしておいて下さい。
雑音が出る接触不良等のシールドを使うとアンプが破損しますので使用しないで下さい。



ギター アンプなどで スタンバイ・スイッチがついている物は 
電源を入れたまま 設定もそのままで 
このスイッチをOFFにするだけで シールド(ケーブル)の抜き差しができます。
ライブハウスなどで 次のバンドがすぐ使う場合は 
電源を切らずに スタンバイ・スイッチ を切っておくのが エチケットです。
これは 真空管のアンプは 電源を入れてから 動作(サウンド)が安定するまで時間が
かかるためと真空管も傷まないからです。 
JC120 など 電源を入れてすぐ音が出る トランジスタ アンプでも 
プロでは 電源を切らず 次のバンドへ引き渡すのが 常識です。


エコー、リバーブ など 反響や残響 効果を加える機器があります 
カラオケBOXに よく常備されており 
バンドの練習スタジオにも まれに 見かける事があります。 
注意点は、
エコー、リバーブ などを かけますと ハウリング が起こりやすくなり 
音が遠くから聞こえてくる感じになるので 
ボーカルなどが 音量を上げ難く 且つ 音量を上げても 聞こえ難くくなる 欠点があります 
普段の練習では 使わない方が賢明です。

カラオケBOXなど 音量が それほど大きくない場合や 
バラード など 曲自体の音量が小さい 場合には 
これらを かけますと 歌が上手く聞こえ有効です。

ミキサーの説明書には エコー、リバーブなどのリターン(出力)は 
リターン端子に接続する説明になっていますが 
空きchがある場合は chに立ち上げるのが一般的です。